とある医師の話
とある医師が、奥さんの体調不良をきっかけに栄養療法に出会った体験談を紹介します。ここではその医師をCさんとして、エピソードを綴っていきます。
奥さんの不調
Cさんは毎日100人以上の患者に対して診察を行う地元でも有名な医師でした。そんなある日、Cさんの奥さんが突然体調を崩して倒れてしまいました。経営するクリニックの上階に住んでいたため、すぐに点滴処置を施した後に、検査を行いました。しかし、検査では異常が見つからず、ひとまずめまいを抑える薬を処方し、経過を見ることにしました。一向に状態はよくならなかったため、先輩医師に相談して漢方を試しましたが、これも効果がありませんでした。体調不良に効果のあるフルーツジュース、万病に効果があると言われる乳酸菌製飲料など、藁にも縋る思いで様々な方法を試しましたが、よくなりません。
その頃、奥さんは乗り物に乗る際に不安感を覚えるようになっていました。通常であれば不安感を抑える安定剤を処方しますが、めまいの症状がよくならないこともあり、薬で治療できる範囲ではない他の原因があるのではないかと思い、様々な分野の情報収集を行いました。その中で出会ったのが、栄養療法だったのです。
栄養療法の先生に出会う
情報収集をしていく中で、栄養療法に取り組んでいるとある先生のことを知りました。この先生は医師ではないため、自身のクリニックを持っておらず、患者の血液検査を依頼できる医療機関を探していました。そこでCさんは自分の運営するクリニックで協力することにしました。先生に奥さんの症状と経過を相談したところ、「2週間もあれば回復しますよ」との答えが返ってきました。今まで色々試しても効果がなく、自分も医師であるというプライドから、さすがに2週間で治るわけがないと疑ってしまいましたが、どのような手段でも奥さんの体調を回復させたいという思いがあったため、早速食事改善とサプリメントの投与を始めました。
すると、奥さんの状態はみるみるうちに回復していきました。横になっている時間が多く、ほとんど外出できなかった状態だったのにもかかわらず、2週間後には家族で一緒に外出できるほどになったのです。
栄養療法を学び実践
この経験からCさん自身も栄養療法を活用した治療に興味を持つようになり、先生から色々なことを教えてもらいながら、自分でも様々な文献を読み、研究をしました。そして、通常の治療ではなかなか改善しなかった患者に対して栄養療法を実施するまでになったのです。栄養療法においては血液検査によるデータが重要なため、多くの患者の血液を採取することになりました。そのため、近所の人からは「ドラキュラ」などと呼ばれることもあったそうですが、栄養療法の効果によって多くの患者を治すことができるようになりました。