食事療法や投薬治療との違い
栄養療法と似ている食事療法や、薬による治療との違いについて紹介します。具体的にどういった点が異なるのか、基本知識として押さえておきましょう。
食事療法と比較
食事療法とは、疾患に合わせる形で食事を調整する療法のことを指します。例えば、高血圧の人は塩分の摂取を控える必要があります。「ラーメンのスープは飲まないようにする」「塩や醤油を使う食事は量を少なくし、減塩のものを使う」「塩分の摂取量を計算し、1日の摂取量を6グラム以下にする」といったものです。
それに対し栄養療法は日頃不足しがちな栄養素を補い、サプリメントなどを用いながら栄養バランスを整える療法です。サプリメントについては、必要な栄養素を食事で摂取できていれば必要ありません。しかし、食事だけですべての栄養素をカバーするのは難しいので、一時的にサプリメントで強化することも必要です。サプリメントの分野は今も進化を続けています。また、人間にとって必要な、まだ解明されていない栄養素が存在しているかもしれません。そのため、サプリメントに頼るのではなく、あくまでバランスの取れた食事をベースに、そのサポート役としてサプリメントを使います。
人間は必要な栄養素を体内で合成する能力を持っています。しかし、その合成能力を発揮するための栄養素がそもそも不足していたら意味がありません。1日に必要なカロリーの量を計算し、その分だけカロリーを摂取したところで、成分が偏っていたら効果がないのです。
また、ビタミンには様々な種類がありますが、具体的にどういった作用を持つか理解しているでしょうか。実は、ビタミンは体内で作ることができません。そのため、食事やサプリメントで摂取する必要があるのです。なお、「ビタミン」とされていたものが体内で合成できることが判明した場合、ビタミンではない「別の名前の栄養素」として分類されます。
薬の治療と比較
現代医療においては薬による治療が一般的です。病気の治療に対して絶大な効果を発揮し、これまで多くの実績を残してきました。しかし、薬の服用は明確な症状に対して効果を発揮する治療法です。そのため、日頃から感じている倦怠感の改善や、今よりも優れた健康状態にしたいという要望には応えられません。また、薬は自然の中には存在しない物質で作られており、ある意味人間にとって「異物」です。それを体内に入れることの危険性は理解しておくべきです。実際、多くの薬には副作用が伴います。それに比べ、栄養療法は人体に負担をかけずに健康状態を維持できる治療法です。